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独り言 のち 時々猫

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渡辺淳一「愛の流刑地」

渡辺淳一の「愛の流刑地」を読んだ。

愛の流刑地

相変わらず、エロエロ描写てんこ盛り。
特に上巻は、ゲップが出てきそうなくらい執拗に丁寧に書かれている。
日経新聞を、通勤電車で読んでいたお父さん達、
毎朝楽しみだっただろうなぁ。。。

獄中の主人公に宛てられた女性からの手紙の一節が心に残る。

「愛はエロスです。
エロスは死です、タナトスです。
死があるから芸術があるように、死があるから人は愛するのです。
愛は死によって完結し、昇華し、無限のものになるのです。
彼女が願ったのは、その頂点で死ぬことです。
本当に愛しあったら死ぬしかないのです。」

確かに、どんな事でも、死を意識することで、
感じ方や考え方が変わるだろう。
それもわかるけど、自分のエゴだけで、死を願うことは、
やはり、理性が許さないような気がする。

だって、「エクスタシーの絶頂で死を迎えて、
あんたは幸せだろうけど、残された子供はどーすんのよっ!」
って、普通ならブレーキがかかる。
「お母さんが、不倫の末絞め殺されて、学校で苛められて、
一生、その事実を背負って生きてゆくのよっ!」
などど、先々のことまで考える。

私には、渡辺淳一の究極の愛は、絵空事にしか思えないなぁ。

全然違うはなし。
この本を読んでいて、何故か次のフレーズを思い出した。
「エロエロエッサイム」
(単なるエロエロつながり)

調べてみたら「エロイムエッサイム」が正しく、
映画「魔界転生」の中で沢田研二演じる天草四郎が唱えるのです。
黒魔術で召喚の際に唱える呪文らしい。
初めて知りました。


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