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独り言 のち 時々猫

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垣根涼介「ワイルド・ソウル(上・下)」

少しも知らなかった、戦前のブラジル移民政策。
それは、口減らしの為の、棄民政策だった。

夢の国と信じて、ブラジルのアマゾンに移り住んだ日本人。
その大半は、国に見捨てられ、帰るに帰られず、
人知れず死んでいったという事実。

ワイルド・ソウルの前半には、壮絶なアマゾンでの開墾生活が描かれている。
それは想像を絶するような絶望の連続だったに違いない。

その辛酸を舐め尽くして、尚、生き延びた日本人にとって、
日本政府は、外務省は、どのように映るのだろう。
後半、その報復として、三人の男が日本政府を相手に、
緻密な計画を実行し始める。

「この人は誰だろう?」
から始まり
「この伏線は、どこへつながるのだろう?」
へ続き
「何を持って、この復讐劇はおしまいになるのだろう?」
と期待感いっぱいでラストを迎える。

様々な場面が、様々な登場人物の視点から描かれるが、
やはり、最初の主人公「衛藤」の場面は、息が詰まるようで
凄かった!

ワイルド・ソウル


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