三日月拓「きのうの家族」

祖父母と両親、長男、長女の二世帯住宅に住む家族物語。
受験に失敗する兄。
彼氏より勉強が楽しくなる妹。
浮気するたびにハーゲンダッツを買って帰る父。
家族に振り回される母。
若かりし頃の過ちを引きずる祖父母。
この6人が、決して本当の気持ちは口にせず、
当たり障りのない関係を保ちつつ暮らす様子が
それぞれの目線で語られます。
毎朝、全員揃って食べる朝食の様子は、賑やかで健康的なのですが、
その時間を共有することだけで、
家族が辛うじて繋がり、成り立っているような危うさがあります。
でも、それが普通なのかも知れませんね。
家族だからと言って、何でも分かりあえ、信じあえるとは限らない。
タイトルが「きのう」の家族となっているのは、何故でしょう。
「今日」や「明日」に確信が無くても、
「きのう」までは間違いなく家族だったから?
うふ、かまってかまって君とは、
どんなことがあっても、昨日も今日も明日も家族よ♪

「うん」
ちょっと物足りなくて☆一つ半です。
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