岩瀬成子「マルの背中」

ストーリーは、この絵から始まっています。
この装丁を見て、心を動かされない人はいるでしょうか。
膝を抱えてしゃがみ込む少女と、
少しだけ距離を置いてうずくまる猫。
少女の視線は、猫ではなく、自分の足元に落とされています。
子供の力ではどうしようもない現実を、
静かに静かに受け止めているような、切なさを感じます。
心が不安定なシングルマザー
食べるものにも困る貧乏
会うことのできない幼い弟
子供の心がどんなにしなやかでも、
簡単にやり過ごせない、苦しい現実でしょう。
預かり猫のマルの背中を撫でてごらん。
亜澄ちゃんの心が、少しでも温かくなると良いね。
酒井駒子さんの絵とストーリーと、
あわせて☆二つ半です。
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