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独り言 のち 時々猫

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遠田潤子「雪の鉄樹」

雪の鉄樹

いや~
重たいです。

何故、主人公が贖罪の日々を送っているのかが、
中盤で明らかになってきます。
私には、その出来事が、
こんな面倒くさい生き方をする理由には思えませんでした。

主人公は善人です。


ただ、食後の食器を灰皿代わりに使っても、
それを不快に思えない感性は、
彼の、育てられ方に問題があるからです。 
いままで食事をしていたお皿に、
灰と吸い殻が入っていることに違和感がないのは、
善人であればあるほど、とても切ないです。

雪に冷えた鉄柵を、素手でずっと握っているような、
焼けつくような痛さ。
そして、ひりひりとする孤独を感じることで、
自分を罰しているような。

いや~
重たいです。

☆二つ


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