村上春樹「遠い太鼓」

私にとって、初めて読破できた村上春樹です。
で、やっぱり、私には、春樹アレルギーがあるのかなと思いました(笑)
どうしても、自分の中のイマジネーションが膨らまないのです。
3年間に亘るご自身の海外滞在記なのですが、
シーズンオフのリゾートや、日の当たらない家、
雨の多い旅行、不都合な都会生活。
どうして、こんな安らげない外国暮らしを続けるのか不思議でした。
遠い太鼓の音に誘われて、日本を離れ、
三年間も海外で、不自由に過ごさなければならなかった理由は何なんだろう。
読みながら、何度も頭をかすめた疑問です。
そして、時間をかけてゆっくりとたどり着いた最後の最後。
答えが用意してありました。
「旅行というのはだいたいにおいて疲れるものです。
でも疲れることによって初めて身につく知識もあるのです。
くたびれることによって初めて得ることのできる喜びもあるのです。」
はい、私も春樹さんの旅に付き合って、ずいぶん疲れましたよ(笑)
でも、絶対にガイドブックには書かれていない裏事情を知りました。
くたびれ果てて、読破できたという喜びもあったのかもしれません。
私も、旅をしていたのかしら。
この本を紹介してくれたMちゃん、
やっぱり私には、春樹ワールドは遠すぎました。
☆一つ半
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