萩原浩「海の見える理髪店」

本のタイトルとなった「海の見える理髪店」
腕が良いと評判の理髪店の亭主。
お客様に聞かせる自分物語は、
誰のためだったかと言うと…
その他、5編の物語が収まっています。
「いつか来た道」
強い確執のある画家の母が痴呆になった。
それだけで、今までのすべてのことは、
ご破算にできるのか。
「遠くから来た手紙」
子供を連れて家を飛び出て実家へ。
早く迎えに来なさいよ。
来たって帰らないけどね。
そんな私に、届いたメールは。
「空は今日もスカイ」
子供と子供の不思議な家出。
海を目指し、不安を隠して大冒険。
「時のない時計」
動かなくなった父の形見の時計。
修理のために立ち寄った時計屋で。
「成人式」
急逝した娘の代わりに、
振袖と羽織袴で成人式に替玉出席する両親。
周りの人の目には奇異に映りますが…
どのお話も、短編ではなく、
掘り下げて描いても良いような厚みがありました。
大人になってから読んで良かった、
と思える一冊です。
そう、人生のスイモアマイモ分かる年になって、
しみじみとしみじみできました。
🌟2つ半
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