独り言 のち 時々猫

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東野圭吾「天空の蜂」

この時期に、原発を題材とした「天空の蜂」を読んだ。

天空の蜂

自衛隊に納品すべく開発されたヘリコプターが盗まれ、
原発の上でホバリングを続ける。
日本にある原子力発電所を全て使用不能にせよとの犯人からの声明。
聞き入れられなければ、ヘリコプターを原発に落とすという。

原発の安全性を信じ、原発設置を推進してきた人々。
放射能という見えない恐怖で、原発反対運動に関わってきた人々。
そして、恩恵を受けながらも、原発に何の問題意識も持っていない一般国民=無言の群衆。
様々な視点から、原発の問題を見据えている。

作品中、心に残った部分がある。
「絶対に落ちない飛行機があるかい? 
ないよな。
毎年多くの死者が出ている。
それに対して、おまえたちのできることは何だ? 
落ちる確率を下げていくことだろう。
だけどその確率をゼロにはできない。
乗客はそれを承知で、その確率ならば自分は大丈夫だろうと都合よく解釈して乗り込むわけだ。
それと同じなんだ。
俺たちにできることは、原発が大事故を起こす確率を下げることだけだ。」

確かに、車が交通事故を起こす確率と、飛行機が墜落する確率は、良く比べられる。
飛行機事故より、交通事故の方が、約30倍は確率は高いそうだ。
だからと言って、飛行機は安心な乗り物だ、と言い切れるだろうか。
事故を起こしても、ただ、運が悪かったとあきらめられるだろうか。

どんな場合でも、事故をゼロには出来ない。
用心に用心を重ねても、必ず、どこかに落とし穴があって、事故は起こる。
(流行りの想定外ってヤツです)
低い確率なら原発事故が起こっても仕方ないとは、
今や、誰一人として思っていないだろう。

問題をいっぱい抱えたまま、福島では、沢山の人が必死で事故処理にあたっている。
今は、その人達に心から感謝することしかできない。
でも、もう少し、先が見通せるようになったら、
これからの日本のエネルギーのあり方を、ちゃんと議論しないといけないのだと思う。


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