角田光代「対岸の彼女」
独身で、会社を興し、バイタリティーにあふれる葵。
二人の対照的な女が、出会い、揺れ、依存しない関係を築いてゆく。
小夜子は、娘のこと、家族付き合いのことなど、
周りの人間関係に疲れ、悩む、主婦。
何とか外へ出て、自分を変えるために働こうとして、葵と出会う。
快活で、頼もしい葵といることで、学生時代に戻ったような楽しさと、
葵となら、どんなことでも出来そうな昂揚感を味わう。
ところが、そんな葵にも、思いもよらない学生時代がある。
それが原因で、深く人と付き合うことが出来ず、
信じ切ることも、頼り切ることも、しない。
葵は、少女時代の多感な頃の経験が、自分の生き方に大きな影響を与えることを。
小夜子は、そうやって、大人になってからでも、自分を変えることが出来ることを、
教えてくれているような気がする。
二人は、川の向こう側とこちら側を歩いている。
進む速度や、立ち止まるタイミングは、違うかも知れないけど、
同じ風景を見て、同じ方向に、進んでいる。
人と人の関係は、そういうもので良いような気がする。
女子学生が、休み時間に手をつないで、一緒にトイレに行くような、
ベッタリとお互いに依存した友情は、もう、要らない。

| 本箱 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP | HOME
1年に1回くらいしか会わなくても友情があったり
毎日のように会っていても友情がなかったり
最近はブログ繋がりでも友情があるのかも~
とか。。。
最近私は小説を買わず、役立ち本みたいの
買っちゃってます^_^;
| もちゅみ | 2011/11/04 16:48 | URL | ≫ EDIT