山本一力「ほうき星 上・下」
今回の主人公は、女性。
しかも、お話は生まれる前から始まる。
健全で暖かく仲睦まじい夫婦の間に生まれ、
愛に満ちた大人たちの中で成長する「さち」の物語だ。
文中、登場してくるのは、人情味に溢れ、善意の人ばかり。
「そんな、世の中、良い人ばっかりじゃないよ」
と思わなくもないけど、お話の世界としては安心して読める。
また、江戸っ子のきっぷの良いしゃべり方や、土佐弁の暖かさも嬉しい。
「いすず鳴る」でも描かれていたクジラ漁の場面ではドキドキし、
カツオ出汁のきいた料理の作り方を読んでお腹がぐーと鳴った。

| 本箱 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP | HOME
一力さんの本っていつも気になって手に取るけど
結局ほかの本に負けて、買ったことがないのです。
ほっと安心できるお話なのかな。
短編ってありますか?
短編なら読めるかなぁ・・。
| ぴあの | 2012/04/11 21:08 | URL | ≫ EDIT