木皿泉「昨夜のカレー、明日のパン」
何も目新しいことはなく、当たり前に続いてゆく日々の生活。
でも、その何気ない毎日が、実は濃密な思いに繋がっているような気がします。
登場する人物の中で、特に共感したのは「夕子」でした。
どんなお金持ちにも、偉い人にも、彼女は「みすぼらしさ」を感じてしまいます。
そして、その「みすぼらしさ」が彼女を人から遠ざけてしまうのです。
そんなある日、夕子は、ふと、本当に「みすぼらしい」のは、自分だと気が付きます。
この「みすぼらしい」という言葉が、私の何かに触れたようで、
彼女のエピソードは、とても心に残っています。
お話の核となるのはテツコさんとギフですが、
この二人の暮らしている古い平屋のお家と、庭の大きな銀杏の木がとても素敵です。
猫が家につくように、私も拠り所となる自分の居場所が欲しいと心から思いました。
好きです!
☆二つ半!

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なんとなく読みたくなりました
2ツ半はなかなかですよね
今は読まなくても
年末に山口へ帰省するとき
買おうかな
本箱のカテゴリーでさかのぼってまたチェックして
| もちゅみ | 2014/06/15 18:29 | URL | ≫ EDIT