朝井リョウ「スペードの3」
ハートの2
ダイヤのエース
各章のタイトルは、トランプの大富豪ゲームになぞられています。
このお話に出てくるルールでは、
スペードの3だけが、ジョーカーに勝てるようです。
でも、ジョーカーを刺すことが出来ても、所詮は弱いカード。
使い時を間違えると、ゲームに勝つことは出来ません。
2は、ジョーカーさえなければ、最強のカードです。
他のゲームであれば一番ヘナチョコなカードが、
このゲームでは勝敗の行方を握っています。
エース。
数は一番小さいのに、キングより強い。
それなのに、ジョーカーにも2にも勝てないところが悲しいカード。
女子は、小さい頃から自分のコンプレックスを
隠し、逸らし、偽り、克服して生きてゆきます。
きっと男子より、コンプレックスと真剣に向き合って生きているような気がします。
それが高じて、色んな屈折を生み出すことがあります。
それぞれのカードに象徴される女性の、
優越感、嫉妬、挫折、妬みを、これでもかーーー、と見せつけられて、
ちょっと息が出来ませんでした。
こんな心の奥深いところにある、どうしようもない葛藤を、
男性作家が表現するとは・・・
あな、おそろしや。
☆二つです。

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いっぱい本読んでる~(*^_^*)
あたい、今日「おかんメール」って本買ってきました。
世の中のおかんから送られる奇怪な文章。
立ち読みして「ぶっ!」って吹いて汚したので買いました。
ストーリーのあるもの、読まないとどんどん遠ざかってヤバすです。
| solo_pin | 2014/09/11 10:23 | URL |