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独り言 のち 時々猫

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黒野伸一「万寿子さんの庭」

意地悪で、ユーモアがあって、きつくて、優しい。
そんな万寿子さんと、ひょんなことから友達になる京子さん。
年の差は、50歳くらいだろうか。
でも、二人の関係は、家族ではなくて、親友。

その万寿子さんが、少しずつ壊れてゆく。
壊れて、自分を失ってゆく。

荒れ果ててゆく万寿子さんの庭と、
固く潤いを失くしてゆく京子さんの心。

万寿子さんが、万寿子さんである最後の瞬間、
京子さんに手紙を書く。
その手紙に、涙が溢れた。
泣きながら、少しずつ壊れていった、父を思った。

死を迎えることより、年を取って自分でなくなることの方が、
多分、何倍も残酷で悲しい。

万寿子さんの庭



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