宮下奈都「羊と鋼の森」

子供の頃にピアノを習っていました。
もちろん、練習は大嫌いだったし、
先生には叱られっぱなしでした。
レッスンの日になると「お腹痛い~」とか、「頭痛い~」とか、
仮病を使って休もうとするのですが、
母に「あほか! さっきまで笑とったやないか!」と一喝されて、
即、却下されました。
今思えば、創意工夫の足りない仮病です。
もう少し、うまくやれんかったんか、と後悔します。
(そんなことを後悔している場合か?)
(ピアノの練習を真面目にやらなかったことを後悔しろよ?)
そんなこんなで、決して、熱心に弾かれることのなかった
悲しい我が家のピアノですが、
年に一回、真面目そうなおっちゃんがやって来て、
がっちり調律してくれていました。
ド ド~ ドドド ド~
ドレドレドレドレド~
何時間かかけて、繰り返し繰り返し、
響きや音程を調整してくれます。
しかし、子供心には、単調な音を聞いているのは退屈でした。
「そんな、真面目に調律しても、
弾く鍵盤を間違えるねんから、音がずれてても一緒やん」
てなもんです。
そして、この本を読んで、少なからずショックを受けました。
調律士が、こんなに感性と技量を問われる職業だったとは!
ただの退屈で真面目なおっちゃんでは、務まらんがな!
知っているようで知らない世界は、一つ解き明かされました。
☆二つ
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