宮本輝「泥の河」「蛍川」

太宰治賞受賞作「泥の河」と、
芥川賞受賞作「蛍川」の二話が収められています。
どちらも、珠玉の宮本輝ワールドです。
時代設定は、私の子供時代と通じるところもあり、
色や匂いが肌感覚で伝わりました。
突然大人が恐ろしくなったり、
闇が恐ろしくなったり、
いても立ってもいられなくなるような、
小さい子供特有の、寂しさと心細さで、
胸がいっぱいになります。
ちびまる子ちゃんの、対極にあるお話。
と言えばわかりやすいかも知れません。
共通しているのは、
子供は決して、楽天家でも正直者でもないところでしょうか。
読み始めすぐ、グイグイ引き込まれました。
さすが~っ
☆二つ半
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